恋したいから そばにいて

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  「どうしたの?」 「おれは楽しかったけど、丈にしてみれば大っ嫌いなゲイに一日付き合わされて、しかも自分もそうじゃないかって思われたりして気分が悪かったんじゃないかなって、考えてた」 「なに、トツゼン」 「だって」  普段なら、丈太郎の常套句を口にした玲はそう前置きをすると、深く息を吸い、一息に思いの丈を吐き出した。 「今まではおれがちょっとその気になってイタズラするのも駄目だったのに、今日はそう言わせないように仕向けた上で丈のこと一日いっぱい振り回しただろ? 不満も文句も言えないようにされた上に好き勝手されてさ、凄いストレス感じてない訳ないだろうって考えたらやる瀬なくなって」 「ちょっ、ちょっとレイにぃ」 「お前の、馬鹿がつくほどお人好しな性格に漬け込んだけど、やっぱり無理だからそうやって呼び方も元に戻るんだろうし」 「スト~ップ! ちょっと待った、待ってよっ、…もう」  だんだんエスカレートして早口になる玲に向かって手を突き出すと、やっと口を閉ざすことができた玲は顔を上げ、涙目で丈太郎を見上げた。 「っ、どうしちゃったの、落ち着いて…オレに分かるように、ちゃんと説明してよ」  今にも泣き出しそうな顔つきをしている玲の表情に驚きながらも、街灯の光を受け、輝いて見える玲の瞳から涙が零れないように言葉を選び話しかける。  一瞬、見つめた先にある唇が、わな…と震えたのに気がついた丈太郎は、感情を昂らせ落ち着きをなくした玲を安心させるために笑って見せた。 '
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