恋したいから そばにいて

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   ──呼び捨てにすることを強要された上に、男相手だと分かる接触は駄目だと何度も言ったのに、嫌がる丈太郎を黙らせて強引に恋人繋ぎをし、カップルがしそうな腕組みまでした。  普段であればとっくに腕十字固めでホールドし、 『もうしません』  と言いながら降参の合図のタップをする玲を押さえ込んでも仕方ないことを、今日は絶え間なくされ続けた。 「う~ん…」 (そうされてヘーキだったかって、あらためて聞かれると)  どうだった? と、自問自答した丈太郎は軽く呻くと、 「抵抗がなかった、って言ったらウソになるけど…別に、大丈夫だったし。っていうかレイの方こそ、大丈夫だった?」  と、逆に玲へ問い返した。 「えっ…」 「こんな、バカの上にアホって言葉をつけられるような年下に何回も呼び捨てにされて、やじゃなかった?」  そう言って涙目の玲に向かって笑いかけると、殆ど聞き取れないような声で 「嫌じゃない」  と返された丈太郎は、ほっと胸を撫で下ろした。 「よかった。 ホントはオレ、もっと早くレイの言う通りにしたかったんだけど、ガキの頃のオレってクソ生意気で、年上のレイのこと下に見て、呼び捨てにしてた挙げ句にゴーマンな態度で困らせてばっかだったでしょ? だから今日はその頃のことを何度か思い出しちゃって、上手く、呼べなかったんだ…ごめんね」  過去の自分を省みて、ずっと言えなかったことをやっと口にして謝ると、頭を振った玲の瞳から、たくさんの煌めく涙の粒が零れ落ちた。 '
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