墓の魔女

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「募集が再開されるのは、早くて百年先かしら。まあ、途中欠員が出れば、中途採用の機会もあるから、その間、民間で経験を積んだらどう?」  学院の就職担当は、にこやか、かつ無情に言い切った。民間で何をしろと?名前ばっかり有名で気難しい魔法使いの助手になって、こきつかわれるのも、派遣組合に入って、脳天気な冒険者どもと、危険な地の果てを目指すのも、健康魔法商品を売り歩くのも真っ平だった。後は薬屋と美容系くらいだが、資格を持っていない。配達業も論外だ。 「後は地元で探したら?」  それはダメ、鳴り物入りで出て来たんだから。すごすご帰ったりしたら、どんなことを言われるか。考えただけでセルマは鳥肌がたった。 「何とかなりませんか?」  目を血走らせて迫る彼女に、若干引きながら、担当者は言った  「どうしてもというなら、まあ、一つ口がないこともないけれど……」 「やります。」  セルマは、すかさず食らいついた。そして、すぐ後悔した。それは王立墓地の管理人だった。言ってしまった手前、後には退けない。
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