それぞれの道

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 ネプチューンと海馬が去った後、今度はブーンと先ほどとは違う地鳴りが響いた。続いて穴の中から、苔だかカビだか錆だか、訳の分からない緑色の何かに覆われた騎士の像たちが、ぞろぞろと出て来た。  ランドルフは、気を取り直して、緑の何かにまみれた騎士たちに命じた。 「行け、緑の騎士たちよ。王命である。我が敵を討ち倒せ。」  緑の騎士、そう呼ぶと、何だかかっこ良く聞こえる。確かにものは言いようだ。騎士たちは整列すると、兵たちに対峙した。 「ええい、(ひる)むでない。」  戸惑(とまど)う兵士たちを王妃は叱咤(しった)した。 「所詮(しょせん)は見かけ倒しの木偶(でく)の棒よ。(おそ)るるに足らず。早よう、王子の首を取って参れ。」  王妃の一声で、親衛隊たちは、一斉に騎士たちに向かって行った。だが、剣で斬りつけても、槍でついても相手はびくともしなかった。 「見るがいい、これが王の力だ。」  ランドルフは高らかに宣言した。さっきまでの弱気はどこへ行ったのやら。
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