それぞれの道

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 うーん、と唸って、気を失っていたランドルフが目を覚ました。まだ頭がボーッとしているらしく、おぼつかない視線で、周りをキョロキョロと見回した。 「これは、いったい、どうなったのだ?」 「終わったよ。ランラン。」  セルマは言った。世はすべて事もなし、だ。 「セルマ、セルマ、ねばもー。」  空からレイの声が聞こえた。 「もうすぐ、アンブローズ公が到着するよ。」   レイは墓地の惨状を見ると、あんぐりと口を開けた。 「ねばもー!何があったの?」 「うん、まあ後で話すよ。」  間もなく、ランドルフの伯父のアンブローズ公の一軍が到着した。彼らは、へたり込んで動けなくなっていた王妃と、その一味を捕らえ檻車(かんしゃ)に入れると、セルマに厚く礼を言ってランドルフを連れて去って行った。絵に描いたような大団円だった。  さてと、後片付けをしなければ。セルマは墓地を見渡した。墓石や石柱がごろごろと転がり、地面のあちこちは陥没している。惨憺(さんたん)たる有り様だ。この状態では元通りにするまで、かなり時間がかかるだろう。  ジェイさんとフレッドは、もう後片付けに入っていた。さすがは二人、手際がよい。
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