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「汝の功績に何を以て報いようか?金銀財宝か?最高位魔法官の地位か?いや、そのようなものでは到底足りぬか。」
「お礼なんていいよ、ランラン。これから大変なんだから、無駄遣いしないで。それに窮屈なのは嫌だし、墓地のことも心配だから、とっとと帰りたいの。」
と、言うわけにもいかなかったので、セルマはこう言った。
「お心遣いに感謝します、陛下。ですが、私は現在の地位に満足しております。これ以上望むものはございません。」
ああ、本当に敬語って面倒くさい。
「そうか、そなた謙虚だな。」
ランドルフは、口ごもって、下を向いた。急にそわそわしだして、どこか態度がおかしい。
「何というか、その……そなたには随分と助けられたな、と。」
セルマは首を傾げた。何か雲行きが変だ。嫌な予感がする。
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