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「さて、みんな準備と確認作業終わったかな?終わったら、僕にキャラクター用紙を渡してくれないか、最終チェックするから」
藤田の言葉に、用紙を一端全員預け、それを確認しながら作成後の変更がなかったか、シナリオに登場するモンスターの数は、数値に対応できるかをシナリオと見比べる。
「うん、みんな問題ないようだね。じゃ、キャラクター返却するね」
戻ってきた用紙を眺めた後、一同藤田の方へ顔を向ける。
「それでは、始める前に確認を」
スゥッと息を吐き、一呼吸置いて
「今回は、元祖美術部と生徒会とのゲームを行う君たちプレイヤー、4対4の争奪バトル行います。君たちは、ある町から盗まれた秘宝を捜索し、見つけ出して無事町にその秘宝を戻すのが今回の概要な分けで、その中で両陣営はその同じ依頼を受け早く秘宝を見つけ町に戻した陣営が勝利とする」
言葉一つ一つを確認しながら、メモを取る者、頷きながら聞き入りる者、ながら聞きする者など、それぞれのの方法で藤田に耳を傾け、
「で、秘宝を見つける事だけではなく、お互い出会ったら戦闘で相手を倒してもいいし、しなくてもいい。それにさっき言ったけど、秘宝は町に戻すまでがゴールであって、その間に奪い合うのもOK」
言葉を理解しているか、確認しながら言葉を選んで、
「これは、あくまでもゲームであって遊びだ。キャラクター同士でのいがみ合いは構わないが、君たちプレイヤー同士のいがみ合いはくれぐれもしないでくれ。楽しく遊んでラフな気持ちでいて欲しい」
「でも、負けたら廃部なんですよね」
庭山がぽつりとつぶやくと相馬は腕にしがみつき、
「そんな弱気でどうするの、廃部にならないように頑張ろうよ」
「そ、そうだね」
「こればかりは、どう転ぶか分からないからね。どちらが勝っても負けても悔いのない様にやっていこう。僕もお互い不利にならないよ配慮しながらシナリオを作ったから」
「そうでなければ、困るわ」
甲葉は、藤田の言葉に釘を刺すかのよう言葉を投げかける。
「もちろんそうしてるさ。それに、話の進行上出来る事と出来ない事があるかもしれないから、それについてはその都度対応していくから。分かったかな?」
「「「「「「「「はい」」」」」」」」
「戦闘だけど、攻撃側能力値と技能の数値を足して、サイコロ2個を振った合計値の数値を出す。回避側は同じように足して、サイコロを振った数値で攻撃側より同じか以上の数値を出せば回避。それ以下は当たりだ」
6面体のサイコロ2個手に出し、見せる藤田に触発され、サイコロをテーブルの上で転がる音が響く。
「そして、これが今日君たちが冒険に旅立つ世界だ」
そういいながら、長机いっぱいい広がる地図を広げた。
そこには、町や街道、森や川と言った絵が描かれ、その上にはマス目上の線が引かれておりマス目に沿って自分のキャラクターの駒を進め、現在の場所、方向、距離を確認しやすくなっている。
「へぇ、これがそうなのか・・・」
今まで興味の薄かった庭山だが、地図を見て実感が沸いてきたのか、興味深げに眺めているのを相馬は横目で、初々しさにかつての自分を重ね合わせ笑みが零れた。
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