5.四畳半異世界誕生

6/9
前へ
/30ページ
次へ
そんなやり取りを行っていると、”かなづちの泉亭”の入り口の扉が勢いよく開かれたかと思うと、ローブ着飾った派手な魔術師が3人の男性を従え入店してくる。 店内の注目を一身に集め、その様子にご満悦な様子で、悠々と辺りを見渡しながら歩きだすと、一角のテーブルに目をやりそちらに向かって行く。  「あら、だれかと思ったら、悪食エルフにアル中女、筋肉ゴリラの一行じゃなありませんの?」  「あ、あの・・・僕は・・・」  「酷い、悪食じゃないわよ私」  「何だ筋肉を愚弄するのか」  「フン、酒もろくに飲めないおこちゃまのくせに、態度だけは一人前ね」  「何ですって!」  「だったら、飲めるかしらお嬢ちゃん」  「ムキッ、そんなの飲めるわよ!」  「あら、そうなの?」 魔術師パウリーネをからかうように、樽ジョッキを手渡そうとすると、傍らで見ていた騎士マイクホードが肩を掴み静止する。  「おい、やめとけ。詰まらな挑発に乗るな」  「うるさいわね。飲むたら飲むのよ!」 マイクホードの手を振りほどいて、無理りにでも酒を飲もうとすると、背後にいた忍者の不知火が羽交い絞めして、彼女を取り押さえる。  「離して!、離しなさいいって!」 とりあえず、パウリーネは不知火に任せて、マイクホードは謝罪を述べる。  「すまなかたったね。うちのお嬢が何時も迷惑かけて」  「それにしても、以外にノリノリね」  「ほんと、最初はあんなに嫌がっていたのに」  「確かに」 リーディアとアウラは、あんあに不満言いまくりしていたパウリーネが、いざ始まってみると此方の話のって来た事に意外な感じがした  「あ、あの・・・」 今までのやり取りが終わり、ようやく口が開けると思い、恐る恐る手を挙げマイクホードに話しかける。  「ん?あ、えっと・・・、誰だっけ?」  「ケインです・・・」  「あ、そうそうケイン君だったね。ごめんごめん、全然印象無いからいないと思ったいたよ。うちの不知火と一緒だね」  「その言い方はひどいわ」 悪気があるのかないのか、不知火を引き合いに出してケインの幸薄さを小馬鹿にした様子に、リーディアは反論した。  「そう、怒るなよ。美人が台無しだぜ」  「うぁ・・・」 歯の浮くセリフを惜しげもなく吐き出すマイクホードにリーディアは引いた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加