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プロローグ
朝、気怠い一日がまた始まるのかと、庭山 徹は通学路を重い足取りで学校をに歩みを進ませ、時折、欠伸を掻きながらやる気になさが伺える。
「だりぃ・・・帰りてぇ・・・」
面倒くさくなってきたのか、歩みを止めUターンを始めると、目の前には同じクラスの相馬 貴美子が目の前に立っていいた。
「うぁっ!」
「きゃぁ!」
突発的な行動と不意な出会いに、お互いビックリしてしまい声を出して後ずさりして一瞬お互いを確かめ合う。
「びっくりした」
「ごめん、えっと・・・相馬さん」
「いえ、こっちこそ。どうしたの急に振り向いて」
「あ、いえ・・・ね、考え事しながら歩いていたら、・・・ちょっとね」
「ふぅ~ん」
「アハハ・・・」
乾いた笑いでごまかしている庭山に、相馬は特に気にした様子はなく、庭山をジーッと眺めながら小さな声で、
「まぁ、いいかな・・・」
「んっ・・・何?」
「ううん、独り言」
「・・・そう」
「ねぇ、折角だから少し話しながら学校行かない?」
—なし崩しとはいえ、普段会話のない相馬さんと一緒に話ができるなんて、何か俺ついてるんじゃないか?。—
心の声で、つまらない登校が一時の至福の時間に代わるのは、何か学校生活に明るい兆しが見えるのではと楽観視しながら浮かれ始めた。
「そう言えば、庭山君は部活て入っていいるの?」
「え?いやぁ、特には・・・」
「そう・・・。じゃ、ゲームとかは好き?」
「それなりには・・・」
何の話をしているのか、この状況を呑み込めず小首をかしげる。
「じゃ、もしよかったら、放課後此処に来てくれるかな」
「え?」
そう言いながら、相馬は後者の見取り図に赤く車線を引いた部屋を指しながら、庭山にその紙を手渡す。
「これって?」
「来たら分かるわ。フフフ・・・」
意味ありげながら笑みを浮かべながら、軽く手を振って駆け出す相馬・
「必ず来てね」
キョトンとしながら立ち尽くす庭山は、学校の始業のチャイムが鳴る音で我に返り、慌てて走り出す。
今にして思えば、あの時相馬さんに出会わなければ、もしあの扉を開けなかったから、今の自分はどうなっていたんだろうか。
必然なのか偶然なのかはわからないけど、言えるのはこんなにも後悔と不安と苦労はする事はなっかたと言う事だ。
それでも僕は、この退屈で面白みのなかった世界よりは、多少なりともこの非日常を楽しんでいると思う。
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