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憂鬱日-Blue day-
教室の窓をなんとなく眺めていた。
「つまんないな……」
教室はいつもと変わらず雑音だらけ。廊下に出ると向こうの教室から出てくる人影。髪の長い……、女子が女子に追われてる。後ろで何かを叫ばれている。反響して上手く聞き取れない。待ってと呼び止めているのだけはなんとなく……だ。
そんな言葉に立ち止まることもなく、彼女は自分の横をすり抜けて行った。顔を真っ赤にしているのがなんとなくわかった。微かに竹のような香りが鼻孔掠めていった。
追いかけてきた女子生徒たちの進行方向を妨害し、めんどくさそうに口を開く。
「ねぇ、いじめって楽しい?」
「え!」
追いかけてきた数人の女子生徒になんとなく問った。別に深い意味はない。
「わ、私たち別にいじめなんか……」
「でもさっきの子顔真っ赤にしてたし、何かしたんじゃないの?」
「ちょっと着替えてって頼んだだけだよ、泉希くんに」
(みずき、くん?)
「何で?」
「何でって、衣装の合わせみたいなもんだよ」
「部活か……。でも、彼女嫌だったんじゃないの?」
「は?」
「は?」
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