side蓮見桂 ➂

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 ──違う。  前よりも友情を分かち合える親友になりたい?  それも間違いではないけれど、そうじゃない。俺の中にある、忘れようとし努力してきた気持ち……恋心。キスをした日以来、それがあるのは事実で。  やっぱり忘れられずに、心の中でくすぶり続けているのは確かで。  俺はあれから、何度もユミとのキスを思い出している。ユミの唇の柔らかさや滑らかに擦れた肌。それから、いつも身なりに気を使っているユミの、シャンプーなのだろうか、爽やかな香り。  それを思い出して夜、一人のベットで感傷に浸っている。  もう一度ユミとキスしたい……これからは他の誰ともして欲しくない。キスの相手には、必ず俺を選んでほしい。そして、もっと、その先へも俺と……。 「うわ。俺、キモ……なに考えてんの。最低じゃん……」  今は英語のリスニング中。全員がヘッドフォンをしているのをいいことに、俺は小声で自分をけなしていた。
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