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楽しい講義
ゼノと淳史は、部屋でコンビニ弁当を貪る。ゼノはペペロンチーノ、淳史はのり弁。
「田路木って姉ちゃん、可愛かったな」
「アッツのタイプか? あんな小さな身体でFD3Sを操る。只者でないことは確かだ。コーラ取って」
淳史は、ペットボトルのコーラをゼノの方へ置く。ゼノは手を伸ばし、コーラを取って、がぶ飲みする。
2人は食い散らかしたところで、淳史の講義が始まる。セーブザウォーだ。
「まず、セーブザウォーとはレッドチームとブルーチームに別れて大規模な戦争を再現したゲームだ」
「それは何となく分かる」
「次に、初回プレー前に延髄にチップを埋め込まれる。これで大まかなバイタリティーを読み取り、セーブザウォーのアバター等に反映される」
「そうなのか~」
「ゼノ君、授業に着いてこれてるかな?」
「はーい」
「続ける。今までブルーチームは劣勢だったが、ゼノ君の一撃で少し回復した。300万ポイントだ。課金せずに何でも手に入る。ズルい! 敢えて言おう、ズルであると!」
「アッツ先生、戦闘機もですか?」
「もちろんだよ、ゼノ君。チュートリアルをやってれば」
「何!? チュートリアルはもう出来ない?」
「安心したまえ。チュートリアルは何度でも出来るグレートデギン」
「戦闘機の種類は選べますか?」
「アメリカのF35B、ロシアのSu57、中国のJ20。第五世代の最新戦闘機に乗りたい放題。しかーし! それだけじゃない。未来の戦闘機もあるのだよしひこ。開発断念と言われた国産戦闘機、F3もあるかぽね」
「キャラがブレてきたぞ。確りしろ」
「とりあえず、俺が言いたい事は、リンキルってプレーヤーを誘きだして誘導尋問する」
「………………」
「どうしたね? ゼノ君」
「アッツは、そのリンキルに取りつかれてる。凜の事は残念だけど、一般人には限界がある」
「そのための誘導尋問だ。力を貸してくれ。警察が使えない以上、凜の仇は俺達で討つ」
「まあ、やるだけやってみるか」
「そうこなくっちゃ」
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