楽しい講義

1/1
前へ
/42ページ
次へ

楽しい講義

ゼノと淳史は、部屋でコンビニ弁当を貪る。ゼノはペペロンチーノ、淳史はのり弁。 「田路木って姉ちゃん、可愛かったな」 「アッツのタイプか? あんな小さな身体でFD3Sを操る。只者でないことは確かだ。コーラ取って」 淳史は、ペットボトルのコーラをゼノの方へ置く。ゼノは手を伸ばし、コーラを取って、がぶ飲みする。 2人は食い散らかしたところで、淳史の講義が始まる。セーブザウォーだ。 「まず、セーブザウォーとはレッドチームとブルーチームに別れて大規模な戦争を再現したゲームだ」 「それは何となく分かる」 「次に、初回プレー前に延髄にチップを埋め込まれる。これで大まかなバイタリティーを読み取り、セーブザウォーのアバター等に反映される」 「そうなのか~」 「ゼノ君、授業に着いてこれてるかな?」 「はーい」 「続ける。今までブルーチームは劣勢だったが、ゼノ君の一撃で少し回復した。300万ポイントだ。課金せずに何でも手に入る。ズルい! 敢えて言おう、ズルであると!」 「アッツ先生、戦闘機もですか?」 「もちろんだよ、ゼノ君。チュートリアルをやってれば」 「何!? チュートリアルはもう出来ない?」 「安心したまえ。チュートリアルは何度でも出来るグレートデギン」 「戦闘機の種類は選べますか?」 「アメリカのF35B、ロシアのSu57、中国のJ20。第五世代の最新戦闘機に乗りたい放題。しかーし! それだけじゃない。未来の戦闘機もあるのだよしひこ。開発断念と言われた国産戦闘機、F3もあるかぽね」 「キャラがブレてきたぞ。確りしろ」 「とりあえず、俺が言いたい事は、リンキルってプレーヤーを誘きだして誘導尋問する」 「………………」 「どうしたね? ゼノ君」 「アッツは、そのリンキルに取りつかれてる。凜の事は残念だけど、一般人には限界がある」 「そのための誘導尋問だ。力を貸してくれ。警察が使えない以上、凜の仇は俺達で討つ」 「まあ、やるだけやってみるか」 「そうこなくっちゃ」
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加