縛り

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縛り

ゼノはログアウトすると、淳史もログアウトしていた。ゼノは消化不良だ。300万ポイントが警察に奪われた。悔しい。 「ポイントが消えた」 「何で。無駄遣いした?」 「警察の権限で盗まれたらしい。前科があると。戦闘機が買えない」 「悪い…………」 「何故、アッツが謝る?」 「凜の事件でゼノが誤認逮捕された。俺のせいだ」 「アッツは悪くない。バカな警察が悪い。凜とりんご狩り園の事件で警察はメンツのみを優先した結果だ」 「りんご狩り園って、銃撃事件か。テレビで観たが、渦辺木が犯人なのか? 捕まったらしいが」 「渦辺木って同じ学校だった奴だよな。解らん」 「同じ日に2つの事件、繋がりがありそうだな」 ゼノの携帯電話にメールが入る。組織の小泉からだ。 『黛君、もしかして生体情報を登録するVRゲームにログインした?』 『ええ、まあ。なんかまずいですか?』 『ちょっとね。会って話そうか』 『分かりました』 『では、いつもの喫茶店で待ってる』 ゼノは携帯電話をポケットに入れて立ち上がる。 「ちょっと用事ができた。夜までには戻るから」 「行ってらー」 ゼノはGTRに乗り、例の喫茶店へ行く。小泉のセダンが駐車場に停まっていた。ゼノも車を停めて、店内に入る。 「いらっしゃいませ」 小泉がテーブル席から手を振り、合図した。ゼノは席に着く。 「やあ」 「ちわっす」 「早速だけど、次のエアハートだ」 「小泉さん、怒ってないの?」 「生体情報を登録するVRゲームにエントリーする時に首にチップを埋め込まれたでしょ。プライバシーが筒抜けになる」 「マジかよ。それで、小泉さんがその事を」 「まあね。インテリジェンスには特に。エアハートに縛りが出てくる可能性があるから。こちらでも最大限のフォローはするよ」 「分かりました。次のターゲットは誰ですか?」 「その前に何か注文しよう」 「了解。俺はコーヒー。ブラックで」 小泉は店員を呼び、ホットのブラックコーヒーとカフェラテを頼む。 「次のターゲットはね、セーブザウォー開発者だ。近いうちに来日する」 「マジか。セーブザウォーの開発者か」 「やっぱり、黛君がやってるのはセーブザウォーか」
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