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過去の戦績
ゼノの携帯電話が鳴る。組織の男からのメールだ。
『黛君、大変だよ。外国の要人が他の組織に殺された。エアハート出来なかった?』
『エアハートして、問題なしと結論付けました。他の組織の目星は?』
『解らない。これから捕まえた末端の鉄砲玉を拷問するよ。次も外したら困るからね。君は頼りになるから』
『すみません』
ゼノのメールのやり取りが淳史は気になる。たまに淳史の前でも連絡を取るゼノ。
「女か?」
「親戚の叔父さん。カネくれるから」
「そっかそっか」
ゼノの嘘に、淳史は騙される。
「女と言えば、アッツのがモテたろ。バレンタインデーの時なんか段ボール箱で貰ってたし」
「ゼノだって20個くらい貰ってたろ? 中高生の時、俺とゼノはツイン・ピークスだったからな」
「アッツのが2センチもでけえ」
「ゼノは188センチだろ。十分でけえよ」
「縮んでるかも」
「ゼノの金髪鉄パイプ事件、覚えてるか?」
「ああ。俺が金髪にして登校して、ブラック校則で生徒を縛る馬鹿な生徒指導の教師に鉄パイプを見せたら、ソイツ、ビビって脱糞してたな。ブラック校則は心の体罰だ」
「意味不明な校則で規制してる学校の教師なんてクズだ、アハハ」
2人が高校生の時、ゼノはサッカー部で、淳史はバスケ部だった。真面目にトレーニングしていれば、2人はそれぞれプロリーグまで行ける実力があった。学校では、背の高さは1番と2番だった。それで、ツイン・ピークスと言われるようになった。
ゼノは、話を逸らしたところで家に帰ることにした。もう深夜1時だ。
「帰るね」
「おおぅ、また明日な。セーブザウォーの基礎を教えてえやる」
「じゃ」
ゼノは、玄関でスニーカーを履こうとしていると、淳史の父親と鉢合わせした。
「他人の家を屯場にして。孫の恨みはいずれ晴らしてやる」
「やっぱりナードだな」
「どういう意味だ?」
「ご自分でお調べになったら? お邪魔しました」
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