秘密

22/42
前へ
/128ページ
次へ
どうするか… 何か急にこいつ思いつめた顔というか、元気がなくなったような感じというか… 急に泣き出されたら、誰だって困るよな。ごめんな。でも、まだ話したくはないんだよ。 「やっぱ…死んだらお化けとかに…」 「死んだらとか言わないで!!」 「えっ…」 どうした?急にデカい声出して… 「あっ…ごめん… 死っ…んだらなんて… 仮定の話はやめようよ…ね?」 「ああ…うん、ごめん」 「ううん…私こそごめん」 身内に不幸でもあったのだろうか… だとしたら不謹慎だったな… 「お化け屋敷!!…って… やっぱ怖いよね!?」 「ああ…うん、そうだな…」 「なんかやっぱり…こう… 驚かないつもりでも、急に出てこられるとびっくりするし…」 お化け屋敷が怖くて情緒不安定なのか? それにしては…なんか…変だな… 「なあ…お前、最近なんか…」 「あっ!…でも!意外と楽しかったりもするよね!? こう…スリルというか…ね!?」 「ああ…まあ…」 「さあ!行こ!」 「…うん」 やっぱり変だ… 何があったんだろう? 話たいことはたぶんあるんだろう。だが、今ではないのかもしれない。 私も隠し事をしているのだし、他人のことは言えないが、やっぱり気にはなる。 話したくなるまで待つか… 無理に話させるのもよくないし。 「ああ…お化け屋敷も久しぶりだな…」 「私も。結構避けがちなんだよね… 何か…ね?」 「うん…妙な緊張感があるよな」 「そうそう! ちょっとワクワク感もなくはないんだけど…いざとなると怖くなっちゃうよね…」 うん。今はこのまま、遊園地を楽しもう。きっとその時が来たら話してくれるだろうし。 でも、いったい何があったんだろう? 『死』について関係があることは確かだ。さっきの反応を見ればそれは何となく分かる。 まさか…佐倉自身に何かあったとか? そうだったとしたら…どうしたらいいんだろうか?
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加