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「沢海先輩! なんで俺が副委員長になってるんですか!?」
俺が大きな声を上げると拍手は止んだ。
「なんでって……會澤君が言ったんだよ? 私が『會澤君が副委員長でいいよね?』って聞いたら『大丈夫です』って答えてくれたじゃない」
参ったなぁと言わんばかりに沢海先輩は苦笑する。その顔はとても嘘をついているようには見えない。もしかして……さっき俺が生返事してしまったばかりにこんなことになってしまったのか。きちんと話を聞いておくべきだった。
「決まりで……いいよね?」
頬を緩めて笑う先輩はとてもかわいいが、俺はただでさえ委員会に入りたくなかった身だ。当然、副委員長などやりたくもない。俺が断ろうとした時だった。隣の席から勢いよく手が上がった。
「沢海先輩っ! こいつ、本当はやりたくないんですよ! 俺がやります! 松岡 充(みつる)! 副委員長に立候補します!」
松岡は食い入るように沢海先輩を見つめる。沢海先輩は驚いているのか大きな瞳をパチクリさせている。
「おい松岡……何を勝手に」
「いいだろ會澤。俺は沢海先輩と一緒に仕事したいだよ」
鼻息荒い松岡は正直気持ち悪いが、変わってくれるのならありがたい。それにやる気がある方が副委員長もしっかりこなしてくれるだろう。そう安堵しそうになった時、再び沢海先輩は口を開いた。
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