第1章:弥生

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その後僕は深い眠りについたらしい。 久しぶりにゆっくり寝た気がしながら 目を覚ますと、 薄暗い仮眠室に一人だった。 起きたその足で医局へ向かうと 長谷部をはじめとする救命医や 看護師達が普段より慌てた様子で 寝起きの気の緩みを一瞬でかき消すような 緊張感が漂っていた。 「何があった?」 近くにいた手が空いていそうな研修医に話しかけた。 「あ、お目覚めでしたか。 今呼びに行こうと思っていたんです。 実はさっき近くの化学工場で爆発事故があって5名ほど うちに運ばれてくるようです。」 ちょうどそのことに関する速報が医局のテレビで流れた。
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