プロローグ

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もし、奇跡的に心臓が動いても・・・ 脳の損傷が激しそうだ・・・ それでも・・・ 僕は、何度も、何度も、 手の感覚が無くなるまで、 学の命をつなぎ止めようと必死だった。 そのうち僕自身の身体が痙攣し始めたが、 それを見つけたセンター長が そんな僕を止めに入るまで 僕は信じていない神にすらも すがる思いで祈りながら 手を動かしていた。 「弥生先生、もう無理だ。」 遠のきそうな意識の中に入ってくる センター長の太い声。 そんなこと、 僕だって、 もう分かっていた。 分かっていたんだ・・・。
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