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「春樹くんが会いに来てくれて、また話せて、すごい楽しかったよ。ありがとう。」
彼女は橋の欄干に手を滑らせながら、こちらも見ないでそう呟いた。
「うん、また来るよ。」
「ほんとにぃー?東京からすごい遠いでしょ。」
「まあ…新幹線使えばすぐだよ。」
「そんなこと言って、東京に友達もたくさんできて、こっちなんかもう来ることもなくなるよ、きっと。」
彼女はやはりこちらを向いてはくれない。僕の前をとぼとぼと歩いきながら、淡々と言葉を繋いだ。
「いやー寂しいなぁ。寂しい。」
彼女の歩幅は、少しずつ、少しずつ、小さくなっていく。
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