色の見える少女

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 暑い――俺はその暑さから少しでも逃れようと寝返りをうつ。  しかし、どうやらその効果はないらしく、まるで早く起きろと太陽にせっつかれているようだ。 「だぁっ!あっつい!」  目を覚ました俺――鬼頭修吾(きとうしゅうご)は、今年の春に芸大を卒業して、実家の村へと戻って来た。父が急逝してこの家に住む人間が居なくなった為、仕方なしにだ。  この村は名物と言えば美しい自然と川、それに川にかかる大きな橋が有名だが他にはなにもない場所だ。  しかし最近になってもっと有名な名物が出来た。それが吸血鬼伝説。  東京の大きな美術館に保管されていた古い文献が、この村に吸血鬼が居たことを示していたとニュースになっているのは俺もテレビで見た。  そのおかげで村には、テレビ局やら、オカルト研究会やらが押し寄せている。
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