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階段を下りると、アパートに隣接する公園で子供たちがボール遊びをしている。彼らの親もちらほらと。
そっか、今日土曜だもんね。
最近では、曜日の感覚も自分の中ではっきりしなくなっていた。サービス業で仕事をしているというのもあったが。
今日の出勤は昼過ぎか。
カギを握って車に向かうと集合ポストから郵便物が二つはみ出ている。一つは一階の住人、もう一つは・・・
香代は自分あての封筒を手に取った。裏を見ると、真岡雄介。
彼女はそれを見てかっと怒りが湧いた。白い封筒を苛ただしく握りしめる。
まるで縋る様に私に手紙を送って来て。私だって苦しいのよ。少しは自分で背負うってこと考えないの。
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