ベイビーロボット

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 ドイツの支社の男性は取引先の社長さんを連れて日本見学だと言ってやって来た。社長さんは高そうなスーツに身を包んだ、金髪の60代くらいの男性だった。通訳の可愛い女の子も付いて来た。見た感じ日本人のようだ。 「おお、篠崎さん、わたし、少し、日本語話せます」  社長さんに握手を求められて、それに応じる。  通訳の女の子は「社長さんは日本語が少し話せて、英語ならペラペラなんですよ」と言った。 「ナイス、トゥ、ミート、ユー」  私はそう挨拶をすると英語で自己紹介をした。社長さんが嬉しそうな顔をする。 「ペラペラ、ペラペラ」  社長さんは英語で「今日は日本に来れて良かったです。一週間滞在するので日本の観光もしようかなと思っています。何処かお勧めの場所はありますか?」と言った。涼香は通訳がいるので日本語を喋った。 「浅草なんかどうですか?それとスカイツリーも人気です」  通訳がそれを訳してくれる。 「ペラペラ、ペラペラ」  通訳がウンウンと頷きながら聞いていた。 「浅草は行ったことがあるらしいですが、スカイツリーはまだだそうです。是非行ってみようと思います。と言っています」 「ええ、私も去年、夫と行ったんですよ。展望台から見る景色は圧巻でした。もし良かったらご案内しますよ」  通訳が社長さんを見上げて訳す。いつの間に英語とドイツ語の織り交ぜだ。 「ペラペラ、ペラペラ」 「嬉しい、みんなで行きましよう、明日なんてどうですか?篠崎さんの家族の方も誘ってください。わたしは取り立てて何の予定もないんです。お金はわたしが出します。ついでに食事も奢らさせてください。夕飯を一緒に食べませんか。と言っています」  次の日は土曜日であった。会社が休みの日に接待するのは気が重いがスカイツリーには夫も誘っていいと言っていた。遊びだと思えばいいのかもしれない。涼香は「はい、是非とも宜しくお願い致します」と返事をした。
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