煩いスクーピィ

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 スクーピィは僕のそばを適当に飛んでいるか、フッとどっかに言っちゃうか、あるいは僕の肩に止まっているか。  餌も自分で探しているみたいで、僕の食べ残しを上げようとした時には手を付けなかった。  気ままな奴だけれど、耐えがたい沈黙や静寂ってのが訪れないのが良い。  気が滅入るって事が無いからね。 「キョウモイイテンキ!!」 「ああ、そうだね」 「アサゴハンハネパンニシタノ!!」 「そりゃ僕の朝飯だ。固くてまずいパンだけどね」 「オイシカッタワ!!」 「不味かったんだって。いい加減にしろよ、スクーピィ」  こいつ、どっかで調達したんじゃないだろうな。  別の旅人の朝ご飯をかすめ取ったりなんかしてたら、えらい事だ。 「早くこの辺を離れた方が良さそうだ」  僕は少し歩くペースを速めた。
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