煩いスクーピィ

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 荒野はどこまでも続く。  立ち上る陽炎が僕の行く手を邪魔して、日差しが容赦なく背中を焼き付けてくる。  スクーピィだけは元気。 「キョウネオモシロイコトガアッタノ!!」 「面白い事?」  僕は今、大絶賛面白くないぞ。  スクーピィは良く分からない事をわめきながら僕の周りをぐるぐる回り出した。  オトナリサン? ゴキンジョ? トクバイ? 何を言ってるんだ? 「おい煩いよスクーピィ。勘弁してくれ」  腕を振って追い払おうとした途端、腕に酷い痛みが走った。 「ドウシタノドウシヨウ!!」  痛い……あちこち痛い……。  それに息も苦しい。  なんだこれ、どうしたんだ?  スクーピィの声だけが聞こえる。 「ハヤクハヤクダレカキテハヤク!!」 「手当て……しなきゃ」  その時、僕の頬にポツっと水滴が当たった。 「えっ?」  見上げれば、空はいつの間にか真っ黒な雲に覆われていた。
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