雨に溶けた涙

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彼氏、恋人、リア充。 そんなのが正義なんて、どう考えても馬鹿げている。 晶がそんなつもりで言ったわけじゃないってことは、わかってる……けど。 「そーゆーの、私にはいらないの」 「まりも、」 「止まないねー雨」 どう続けたらいいのかわからない、 なんて声で私の名前を呼ぶ晶を無視するフリをして、当たり障りのない言葉を口にする。 「……そうだね」 本当はわかってる。 こんなことしたって、したって、 「逢坂(おうさか)ー」 ―――もう、何も意味がないこと。
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