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彼と私の物語_3
「よ。」
彼はいつものように私に話しかけてきた。私はいつものように笑顔を返し、夕日が見えるスポットまで他愛のない会話をしていた。夕日の見える場所に着き、私は伝える決心をした。
(ねえ、)
「ん?なに?またなんかあった?」
(ずっと、言えなかったんだけどさ)
「おう。」
(私、君のこと、好き、なんだ。)
「…。」
「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、俺好きな人いてさ、もうすぐ付き合うんだ。」
(そう、だったんだ。気づかなくてごめん。)
「いや、謝らないで。俺の方こそごめん。」
そう言って彼が私の体をそっと優しく抱きしめた事を私はあの眩しい夕日を見る度思い出す。
彼が今、幸せである事を願って…。
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