午前三時のシンデレラ

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 さっきよりも夜の濃度が薄まってきた。空の向こうから白い光がうっすら見え始めた。  夜明けだ。  何時間ここにいたんだろう。何個のもやもやを取り払っただろう。それから何個のもやもやが胸の中に残っているんだろう。  シュミ、悪いね。  ユウタの言葉がぐるぐる頭の中で回る。シュミ、悪いんだね。変えなきゃ。変えなきゃ。  悪いところは全部隠さなきゃ。そうやって、悪いところを隠して綺麗なところだけ見せて。  あれ? それって私で良いのかな? 私の悪いところを全部ひっくるめて私なのに、悪いところを全部隠したら私じゃなくても良くない?  今日中に荷物を纏めておこうかな。いつ、お別れが来ても良いように。もう涙は出なかった。もう、何を言われても大丈夫だ。  荷物を纏めるためには家に帰らなきゃいけない。そう考えると足取りが重い。出かけてると良いなぁ。なんて。思ってたり。もう結構時間もたってたから寝ちゃってるのかも。  帰り道。橋の上。目下で流れる川が日の出に照らされてキラキラ光ってる。綺麗だな。  次の部屋はどうしよう。家賃の安いところがいいなぁ。なんて取り留めもなく考えていると向こうから男の人が走ってきた。こんな時間からランニングかな? すごく熱心だ。でも、服装がユウタにそっくりだ。  もう、どうしてこんなところでまたユウタを思い出しちゃうのかな。
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