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(なるほどね、そういう事か。)
美空は白けた気持ちで、スマホで写真加工をする佳之の背中を眺めた。
婚活アプリで出会った、5つ年上の佳之との3回目のデートだ。
彼は、インスタ人間。
前回のデートで作ってくれたお弁当も、人気のデートスポットに連れて行ってくれるアクティブさも、全てSNS映えの為。彼が見ているのは、私じゃない。SNSの向こう側の相手。それは、元カノだろうか?それとも先に結婚した、友人達だろうか。
「こんなに充実しています。」
「僕は、こんなに良い彼氏です。」
佳之の心の声が聞こえた気がした。
欄干に腕を乗せ、美空は自嘲気味に笑った。
「それは、お互いさまか…。」
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