揺れる

1/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 (なるほどね、そういう事か。)  美空は白けた気持ちで、スマホで写真加工をする佳之の背中を眺めた。  婚活アプリで出会った、5つ年上の佳之との3回目のデートだ。  彼は、インスタ人間。  前回のデートで作ってくれたお弁当も、人気のデートスポットに連れて行ってくれるアクティブさも、全てSNS映えの為。彼が見ているのは、私じゃない。SNSの向こう側の相手。それは、元カノだろうか?それとも先に結婚した、友人達だろうか。  「こんなに充実しています。」  「僕は、こんなに良い彼氏です。」  佳之の心の声が聞こえた気がした。  欄干に腕を乗せ、美空は自嘲気味に笑った。 「それは、お互いさまか…。」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加