揺れる

【あとがき】

『現代人は、簡単に人と繋がれる。』
それは時に、恐ろしい事だ。

Twitterの誰かの投稿に炎上して、悪質な言葉が飛び交う。
SNSの投稿を見て、他人と自分を比較し嫉んだり羨んだりする。

今日、ラジオで言っていた『ルサンチマン症候群』の人が増えていると。
「俺より劣る、お前がなぜ？」等と思う嫉妬の感情。
美空の「友人の結婚を素直に喜べない。」と言うのもその一部だと思う。

でも、依存症のようにSNSを一日に何度もチェックしてしまう。そうしないと不安なのだ。

反対に、『簡単に人と繋がれる』事は、幸運である。
エブリスタのような投稿型小説、クラウドワークスのような自由な働き方。
インターネットが繋がる前の時代では考えられなかったことだ。

そして、昔から連絡不精な人は居なくならない。彼らは（彼女らは）悪気が無い。
「当日連絡すればいいや。」とか、「後でいいや。」とか。気にならないのだ。

今回は、対照的な二人の男性の間で揺れる女性の物語を書いてみたかった。
(というより、書き始めたら登場人物が勝手にそのように走り始めた。)

きっと、美空はどちらの男性を選んでも後悔する。もう片方の男性の事が忘れられない。
幸せって、なんだろうね。

溺れることなく、拒否することなく、このネット社会を活用して生きていきたいなぁと思う。
『ルサンチマン症候群』のお話も書いてみたいな。