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てか、すごい美人だな…男の人に美人っていう表現はおかしいと思うけど、この人にはかっこいいよりも美人という言葉の方が似合う。
真っ黒で太陽の光を反射して輝くさらさらの髪に真っ黒な瞳、そして銀縁メガネ。
……さすが美形だ。なんでも似合う。でも性格は悪そうだ。
「なんですか?」
俺は今だ硬直して動かない副会長に話しかけた。
「……!っあ、貴方は新入生でしょう!?何故こんな場所にいるんです!速く式場に向かいなさい!」
……やっと喋ったと思ったらうるさい人だな。自分が俺の事引き止めたのに。
「理事長から理事長室に来るよう言われてるんですけど、この学園広すぎてどこにあるか分からないんです。もしよかったら、理事長室まで案内して頂けませんか?副会長さん」
「いやです」
即答かよ。
「…そうですか、突然すみません」
ここの副会長はとっつきにくい人だと考えながら、もう一度理事長室を探そうと歩き始めたその時、必死に俺を呼び止める声が聞こえた。
「ま、まって下さい!違うんです!」
この人に呼び止められたのが少し意外で、不思議に思いながら振り向いた。
「何がですか?」
「私が嫌だと言ったのは……そのぉ、えっと…」
俺を真っ赤な顔で下から見上げるように見てくるその人には、さっきまでの澄ました雰囲気は無くなっていた。
どうしてかは分からないけど、副会長は今混乱している。とりあえず落ち着かせなければ話が進まない。
「ゆっくりでいいので、話してみてください」
出来るだけ優しく、安心するような声を心掛けて言うと、副会長は何か決心したような顔で言った。
「わ、私が嫌だと言ったのは、貴方が私のことを副会長と呼んだことです!
私には西園寺遥という名前があるんです!私のことは名前で呼んでください!」
えー、そんな上から目線で言われてもな…
「でも、さっきの人は副会長って呼んでましたよね?」
「……あ、貴方は特別なんです……」
あまりにも声が小さかったから、なんて言ったか分からなかった。
「あの、聞こえなかったのでもうい「なんでもないです!とりあえず副会長はやめてください!」…分かりました」
我儘だなぁ、俺にどうしろって言うんだ。
「西園寺先輩?」
すると、ふくか…西園寺先輩は不満そうな顔をして呟いた。
「そうじゃないです……」
「え?」
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