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目の前には見たこともないような大きな門が、来るもの全て阻みそうな勢いで立ち塞がっている。
てゆーかこれ、俺の身長の三倍は軽くあるんだけど。
金をかける所がどう考えても間違えてると思う。門についてる金のシャチホコとか絶対いらない。趣味が悪すぎる。
そんな門の横には、“私立翠峰学園”の文字。
聞いたところによると、所謂お金持ちばかりが通う全寮制のお坊ちゃま校だ。
そんな場所に何故か一般人の俺、花宮翔はやって来た。
「蒼梧さんめ……しばく」
全ての元凶は、俺の叔父であり、この学園の理事長でもある、花宮蒼梧にある。
勿論俺は金持ちの坊っちゃんばかりが通う、それも男子校など全く行く気もなかった。
そもそも、俺は近くの共学の公立高校に受かり、高校は既に決まっていたんだ。
それなのに……あの人のせいで俺のこれからのスクールライフが台無しになってしまった。
ニヤニヤした蒼梧さんの顔が目に浮かび、イライラする心を必死に宥めた。
その出来事は、約二週間前に遡る──
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