非日常の始まり

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…意味が分からない。 もしかしたらこの人は、蒼梧さんから俺について何か聞いていたのかもしれなかった。 けれど今は大事な役員紹介の場面で、俺自身これから仕事仲間として共にするメンバーを確認しておきたかったから、何事もなかったかのように耳を傾けた。 風紀委員のメンバーは以下四人だ。 「翠峰学園の風紀委員、永瀬旭(ながせあさひ)や。よろしゅうな!」 永瀬旭。真っ赤な髪の似非(?)関西弁。比較的自由な校風のこの学園でも目立つ髪色に、逆に風紀を乱しそうで心配になった。でもイケメンだから似合ってる。世の中は不公平だ。 「風紀委員になった、入江北斗(いりえほくと)です。よろしくお願いします。」 入江北斗。風紀では唯一俺と同じ一年生で、少し長めの髪は後ろで緩く縛っている。その出で立ちはまるでどこかの国の王子様。生徒が言うには彼の笑顔はプリンススマイルらしい。まんますぎて吹き出しそうになった。 「風紀委員の夏樹葵(なつきあおい)だよっ、よろしくね!」 夏樹葵。ブラウンのふわふわの髪がよく似合う男の娘。この人が男だなんて世も末だ、そこら辺の女子より可愛い。…だが、最後の首傾げ+上目遣いに小悪魔性を感じた。 「風紀委員の暁穂希(あかつきほまれ)だ。……よろしくな。」 暁穂希。ちょっと強面だけど、ヤンチャしてそうなワイルド系イケメン。でも俺の本能は頼れるオカンだと告げている。いざと言う時は俺の盾になってもらう予定だ。 そんなこんなで生徒会に負けず劣らずの個性的なメンバーが集まり、早くもこれからの生活に不安を抱いていた……が、楽しくなりそうな予感に胸を高鳴らせた。 遥先輩の号令で式は終わり、これからの学園生活に少しの期待を滲ませたりして、俺は自分のクラスへと向かった。
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