日々の受難

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_翔side_ 「今から出席番号の1番から順に自己紹介していくぞー」 「「「はーい」」」 まるで小さい子供のように綺麗に声を揃えて返事をしたクラスメイト達は、既に遼介先生により調教済みのようだ。恐ろしい。 それより、出席番号の1番は天宮だ。 天宮には高校生らしい落ち着きは皆無と言っていいほどで、今も薄い漫画のようなものを読んでいたため、遼介先生が投げた黒板消しが頭に直撃している。 天宮の頭に当たった瞬間、チョークの粉が俺にもかかってきていい迷惑だった。 では何故その火の粉が俺にも降りかかったのかと言うと、俺の席の前を天宮が陣取っているからだ。 他にも席は沢山空いていたのに、目の前に変態が座った時の絶望感たるや。 それに、10秒に1回のペースで後ろを振り向いては、ニヤニヤと俺を見つめてくる。 一体何を期待しているのか知らないが、例え地球が滅びようとも、お前の想像通りにだけは決してならないと神に誓った。 「天宮…お前、覚悟は出来てんだろォなあ?」 ほら、呼ばれてるぞ。早く前を向け。 お前が遼介先生に人に言えないようなお仕置をされたとしても、俺にとっては痛くも痒くもないが、頼むから俺にだけは迷惑をかけないでくれ。 「なぁ、翔?」 これがフラグかな? 骨は拾ってくれよと北斗に視線で訴えかけたが、笑顔で首を振られてしまった。 俺が睨みつけても素知らぬ表情で首を傾げている。 お前それ絶対分かってる顔だろ! こういう時ほど助けてくれない友人が憎い。
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