星空の下で

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足元には、花火の光でできた俺と北斗の影が隣に並んでいて、それは仲良く手と手が繋がれていた。 翔「……ありがと」 きっと俺の声は、小さすぎて花火の音に紛れて聞こえなかっただろう。 それでも、返事をするようにぎゅっと強く握られた掌から、北斗の暖かい温度が伝わってきた気がする。 パラパラパラ クライマックスには一筋の光が空高く上り、ドォーンと一際大きな音で火花が飛び散ると、最後には名残惜しそうにパラパラと落ちて消えていった。 終わった時には何とも言えない虚無感が漂って、まるで自分だけが夢の世界に取り残されたかのような感覚に陥った。 でも、右手に残る確かな温度が、これは夢じゃない、現実なんだと、そう訴えかけていた。 北「…翔」 翔「…ん?」 花火の後の余韻に浸っていた俺は、北斗の声に顔を上げた。 北「俺、やっぱり翔のこと好きだから、翔のことは俺が幸せにしたいって思ってる。…でも、もしもその相手が俺じゃなかったとしても、俺は翔の幸せを祈ってるから。だから……──自分の気持ちから目を背けないで。」 そう言った北斗は、どこか寂しそうだった。
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