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本当の自分は?
笑顔の裏で、彼女はいつも自分自身を探していた。
言葉にできない真っ暗な闇が常に取り巻いていて、
晴れることのない心に彼女は
家族が向ける愛さえも信じられないでいた。
そんな日々だったが、彼が彼女を笑顔にしていた。
「櫻、あ、えっと…。」
同じ学校という空間にいながらも、
彼は彼女との関わりを少しでも持ちたくて、心の声があふれてしまっていた。
「先生?なんですか?」
前を歩いていた彼が振り向くと、彼女は満面の笑みを浮かべた。
彼が、自分を見つめてくれている。
誰よりも、どんなに心が暗闇にいても…
彼女は、彼には見つけてもらえていた。
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