第1章[好きという気持ち]

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恐る恐る、彼はもう一度彼女に尋ねた。 「高原先生が好きなのか?」 ー違うと、言ってくれ。 彼は、そう願いながら…時を立ち止まった。 ー聞いてどうする?だけど…。知りたい。 うつむいたまま、考え込んでいた彼女がおもむろに顔をあげ彼を見つめた。 「私が、好きなのは。」 二人の間に、沈黙が続いていた。 彼は、彼女の言葉を待っていた。 まだまだ幼い彼女に言わせるなんて、どうかしていると思いながらも… 彼は待っていた。 高原先生は彼よりも背が高く、容姿もよく、 同じ年齢だったが童顔の彼とは真逆で、 女子生徒から人気があった。 高原先生が担当していた学年は、彼女とは別の学年だったにもかかわらず、 人懐っこい彼女は、時々高原先生と話をしているのを 彼は頻繁に目にしていた。 耳にしてしまった以上、彼は知りたかった。
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