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マオの顔は少しずつ歪み始める。
ホットサンドをやっと手に持ったかと思えば、そのまま口をつけようともせず、ただそれを見つめている。
「まだ会って間もないタツヤの事、どう思うかなんてわからないわ。
しかもそれって好きじゃなければタツヤを切り捨てるってことでしょ?
私はあなたみたいに簡単に友達を切ることなんてできないから、悩んでるの。」
私はホットサンドをつかもうとしていた手を、とっさにカフェラテに移動させた。
ひんやりとしたアイスグラスの側面は水滴で覆われていて、指先がじっとりとする感覚にホッとする。
どうしてそうなったのか、また理解できなかった。
どう思うかもわからないのに、どうして応援してるはずの友達の好きな人と2人で遊ぼうと思えるのか。
どうして友達を想って2人で遊ぶのをやめるだけなのに、タツヤを切り捨てる事になるのか。
私が今まで簡単に友達を切り捨ててきたと言えたのか。
マオは一体、私になにが言いたいのか。
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