私とあの子

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マオは持っていたホットサンドをお皿に置くと、マグカップを一口すすった。 ホットサンドにはまだ口をつけていない。 「あなたに愚痴った私が馬鹿だった。」 マオはそれだけ言うと、財布からお金を取り出してテーブルに置いた。 私はその光景をただ黙って見ている。 マオはその間私の目を一度も見なかった。 椅子から立ち上がる瞬間、一瞬目があった、と言うよりも睨まれたに近い。 そのままマオは店から出て行き、ホットサンドと飲みかけのホットカフェラテと私が取り残された。 そんな事よりも私が驚いていたのは、愚痴だったということだった。 一連の話は愚痴だったらしい。 私にはもう何もわからないと思った。
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