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barのマスターは今日もツンデレ。ーアラタ編ー
その日、店に現れたのは、十代前半のお客さま。金色のふわふわヘアが特徴的な、まつげの長い美少年が来店した。
「いらっしゃい。アラタさん」
barのマスター・アヤセが、ほんのり笑顔を浮かべながら、金髪の美少年・アラタを迎え入れる。
「こんばんわ、マスター。また来ちゃった」
身長が低いアラタはカウンターにつま先立ちしながら器用に席に座ると、マスターの方を見た。
「飲み物は、何にする?」
「今日は飲みたい気分なんだ。なにかおすすめ、ある?」
「飲みたい気分……なら、おすすめは『ミハノハンラ』かな。ノンアルコールで作ってあげるよ。
……それにしても珍しいね、アラタさんが飲みたいだなんて。何かあった?」
マスターのアヤセが、心配そうな目で見つめるなか、アラタはカウンターに視線を落としたまま、ポツリと呟いた。
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