匂い立つ

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職場でも特に目立たない存在の私。 可愛くも美人でもない。 もちろんスタイルだって良くはない。 愛想が良いわけでもない。 自分に自信が持てないせいか、話し掛けられても緊張して会話を広げることも難しい。 そんな私でも、唯一心を許せるのが同期の藤原くん。 彼も寡黙で、私よりも仕事ができてとっても真面目。 合コンも興味が無く、行ったことがないと言っていた。 好きな本の傾向が似ていて、彼とだと話も広がる。 例え話が途切れても、彼となら無理に会話をしなくちゃと焦る必要もない。 彼の隣の席はとても居心地が良かった。 だからというわけでもないけれど、自然と会社の飲み会などの席でも彼の隣に着くことが多かった。
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