あの時君は

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末期のがんだった。 医師の顔は相変わらず無表情で、 簡単に、 手の施しようがありません だとか、 余命を3か月ほどでしょう とかいう僕の心をえぐる言葉を次々に発した。 なんでそんな簡単に言えるんだ 僕はそのまま病院を飛び出て、 ただ真っ白な道を寒い中ただ歩き続けた。 家について入っても彼女の姿はなかった。 当たり前のことだった。 いつものことだった。 この一年間耐え抜いてきたじゃないか。 彼女も頑張っているじゃないか。 僕はその場に泣き崩れた。
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