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一緒に歩いたときの日の当たり方
共に歩く
人が特別であるときの
日の当たり方
空気の湿り気
鮮やかに
目を閉じるだけで
浮かんでくる
じゃあまたね
と言うときの
相手の瞳
声のトーン
時間が経てば経つほどに
風化あるいは
美化されてしまうかもしれない記憶
だけど
この日
この時間
この場所で
君と居たのは
私だけ
書き残さない限り
写真や動画に残さない限り
この出来事は
私が死んだら
誰にも知られることなく
埋もれていくかもしれない
――でもきっと、それでいいのです
SNSは発達して
全く知らない人がどんな暮らしを
どんな思いをしたのかということが
世界につながる時代になったけれど
この特別な人と歩いたときの
キュッと皺が寄る目尻
服から微かにする香り
少し霧っぽい空気の中に柔和に溶ける日の光
は、私だけの宝物で
人に分け与える必要はないのだから
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