その場所へ
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千曲川 いずこにおわしその人や 水面に浮かぶ 母の面影 滝本龍一は、初めて訪れるその暴流川を見つめ、自作の詩を呟く。時期は、秋から冬にかける11月半ば、時刻は16時を回っていた。橋の上に吹く風は冷たく、今の自分の心にも厳しく打ち付ける。人通りの少ないこの橋に一人ポツンと佇む僕を見る人は、自殺志願者?と思うかな、龍一は苦笑した。20歳になる前、一度来てみたかったこの場所。
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