ドッペルゲンガー

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ドッペルゲンガー

 もう一人、自分が欲しいと思ったことはない?  これはそういうお話。  その日は特に忙しくて帰り道はクタクタだった。疲れ切って千鳥足に蛇行といった酔っぱらったときよりもひどいくらい。  ドンッ  案の定、道で人にぶつかる。誤りながら振り返ると、向こうも礼儀正しく振り返ってくれている。  ん?  向こうは驚いたようで怖がったような顔をしていた。  私の顔も少しずつ眉をひそめた疑問の表情から目を見開いた驚きの表情に変わっていった。
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