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すると、しきりに首を傾げるジョバンニを見兼ねて、ブドリが手を差し伸べます。
「どれ、その中指とやらを見せてご覧?」
ジョバンニが、中指の入った小箱を差し出しますと、ブドリはふむふむと興味深げに覗き込んで言いました。
「あぁ、なるほど。これは、左の中指だ。おや、ペンだこが出来ているね。この中指の持ち主は、左利きで、物書きをする人だろう。」
「それは、男でしょうか。女でしょうか?」
「男だな。骨が太くてゴツゴツしている。」
それは、とても大きなヒントでした。
中指の持ち主は、物書きをする左利きの男の人で、間違いありません。
ジョバンニは、ブドリに丁寧にお礼を行って、ポランの広場を後にしました。全ての謎を解くその時に、少しずつ少しずつ近づいておりました。
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