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そんなある日。
ゴーシュの家に、予約外の患者が訪れます。
しかも治療時間外とあって、応対に出たゴーシュは、たちまち機嫌が悪くなりました。
「こんにちは。突然お邪魔してすみません。こちら、セロ弾きのゴーシュさんのご自宅でしょうか?」
「いかにも、セロ弾きのゴーシュは私です。どこかで見たような顔の少年だが、君は一体どちら様?? 失礼じゃないか、突然押し掛けて来て。」
不満もあらわに申しますと、見慣れぬ患者は、アワアワと慌てふためいて答えます。
「ぼ、僕はジョバンニと申します。実は、ポランの広場で『人の指』を拾いまして…是非、ゴーシュ先生のご意見を伺いたいと思いまして。」
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