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ついに隊員たちは全て解体され、明日は私の番だ。そう思う夜にこの星の者が私に声をかけた。
「辛かろう。だが取引をしないか?」
私は耳を貸さない。
「もともと俺らは地球人だ。太古の昔に壮大な技術を産み出した国の末裔だよ。地球はいつか枯渇すると分かっていたから宇宙を転々としている。そしてあんたらのように技術を磨いて、他の星に来る生命体を狩りをして生きている。あんたたちがここに来たのは俺らが罠を張っていたからさ」
「とっとと解体しろ。私はもう生きていたくはない」
こんな汚された身体で生きていくつもりは毛頭ない。だが、その者は私を檻から出さない。
「世の中憎いだろう?だから取引をしよう。地球人をこの星に定期的に送り込んでくれるなら、あんたを地球に返す。悪い話じゃないだろう?もしここに来たくなったならあんたは丁重にもてなしてもらう。きっとあんたなら俺らに地球人を提供してくれるだろうから」
私に地球を裏切るという提案。これほど甘美な響きはない。私を貶めた男たちを根こそぎこの世からなくしたいと強く願った私は頷いた。
「了解した」
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