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人類移民計画ワープトンネル
「ここか……」
地球の寿命が近付いたため、大掛かりな移民計画を実行するため、私たちは科学の粋を集めて作られた生命維持が可能な場所を探しだし運んでくれるワープ装置によりこの地に降り立った。
地球を捨て、はるか遠くの惑星で新たな文明を作り上げる。そのための調査隊の先発隊だ。その数五人。
調査だけなのだから、それほど長居は必要なく移民に適しているかどうかを調査するのだ。ワープが発見した場所は、それぞれ別の調査隊が赴いている。
私は鬱蒼と茂るジャングルを見て当たりだと確信した。
「隊長、こりゃ当たりですね。植物が自生して水もある。飲み水として問題ありません」
隊員の一人が嬉しそうに私に言ったが過信は禁物だ。
「もう少し探してみよう。もしかしたら動物も見つかるかも知れないしな」
期待を膨らませて、隊長の私が先頭に立ちジャングルの奥に進む。例え危険があっても、ワープ装置まで戻れるならば一瞬で地球に帰れる。
細心の注意を払い私達は奥へと進む。
この星は本当に地球によく似ている。植物もそうだが動物に気候。まるで地球にいるかのような郷愁を覚える。これで知的生命体がいなければ大手を振って移民計画に着手できる。
「よし。植物に毒性はないな。食べてみよう」
ある程度の調査を行い、今度は食物の検査。火を起こし、地球から持参した水とスープの素を鍋に入れてこの惑星の食物を食してみる。
「味も悪くないな」
まさに大当たりだ。これで移民計画がこの星に実行されたならば私は英雄だろう。つい笑みが溢れる。
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