俺が実際に体験した不思議な話

登校中に見たUFO

俺は神戸で生まれて、神戸の小学校に通学していた。

生粋の「神戸っ子」だ。

ご存知のように神戸という街は、海がありすぐそばに「六甲山」と言う標高約1000mの山が迫っている東西に長い街である。

当時、俺の通ってた小学校はその六甲山の中腹にあり標高330メートルのところに位置していた。

まあ、東京タワーと同じ高さだ。

すなわち俺は、子供のころから毎日東京タワーの高さへ登山をしていたことになる。

健康的だ。

だから子供の頃から足腰が鍛えられて、今でも元気なのだと思うが、今はその話は関係ない。

六甲山と言うところはUFOの目撃談が多い所でも有名である。

あのUFOを呼ぶこともできる武良さんも「UFO銀座」と称しているくらいだ。

※

1970年代の俺たち小学生は、当時20人ぐらいの団体を組んで「集団登校」というのをやっていた。

児童通学の安全の確保のためだ。

小学校6年生だった俺は、毎日「班長」として1年から5年生までの小学生をゾロゾロと引率して学校までの急勾配の坂を上っていたときのことであった。

時刻は当然通学時間であるから、朝7時半ごろだったと思う。

その日の天気は雲1つない快晴の日であった。
空が異様に真っ青だったのを覚えている。

6年生の俺は、低学年が昇ってくるのが遅いので面倒でも時々止まって時間調整の為に彼らの到着を待ってやらなければならなかった。

これがまためんどくさい。

その時に、何気なく六甲山の頂上の上をぼんやりと見上げたら、形はバーベルをイメージして欲しいのだが1つの棒に2つの輪っかがはまってるようなピカピカ光るものがくるくる回っていた。

俺は衝撃で固まった。

そいつの大きさは頂上の電波塔と比較して棒の長さが50mくらいだった。

しかも朝日に反射してキラキラ光っていたのを覚えている。

俺の第一印象はとにかく「機械的で綺麗！」である。

飛行していた高度は、六甲山の頂上が1000メートル弱なのでおそらく1200から1500メートル位の上空であろう。　

そんなに高くなかった。

俺は「これがあのUFOか！よくぞ俺の前に現れてくれた！」と異常に興奮した。

本当に興奮した。

それは、まだゆっくりとクルクル回っている。

反射光が回転に合わせてピカピカしている。

これを見たのは俺だけではなく、後から追いついてきた下級生に
「おいみんな見ろ！UFOが回っとるぞ」
と言ったら全員が
「すっげー」
「ほんとだ」
「回ってる」
「光ってる」
と言って驚いていたから、間違いなく俺の目の錯覚ではなかったと思う。

今なら速攻でスマホで写メを撮るのであるが、いかんせん昭和の御時世だ。

誠に残念だ。

そして遅刻してはいけないから、全員が再び歩き出して5分ほどしたときに、もう一度同じ方角を見たらまだそのバーベル状のUFOは無音でくるくる回ったままであった。

結構、やつは長時間滞空をしていたことになる。

滞空なので飛行機の見間違いではない。
ましてや星の見間違いや鳥や風船でもない。

断言できる。

異様に風体がメカニックだったから。

今なら「ドローン」という選択肢もあるがいかんせん昭和の御時世。

そんなものは無い。

消去法によりUFOだ！

これが俺がUFOと接近した1回目のことであった。