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エピローグ
僕は目の前にいる彼女を、ぎゅっと抱きしめる。もう離さないように、離れないように。
腕の中では小さく震えながら嗚咽を洩らしている彼女がいる。彼女は僕の背中へ腕を回そうとして、止めたように見えた。
僕は泣いている彼女にこう告げたのだった。
「これからも、僕と一緒にいてくれる?」
彼女からの返事はなかった。けれど、彼女は僕をぎゅっと抱き締め返してくれた。
重なり合った影が薄く、アスファルトの上に伸びていた。
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